古民家の再生
それぞれの歴史、それぞれの想い、それぞれの愛着があります。
全部でなくていいから、なるべく残していきたい。
かっこいい言い方をすれば、「伝統を後世に伝えていきたい」です。
でも本当に、残さなければならない家もたくさんあると思います。
建築屋としても、伝統構法をもう一度考え直すいい機会だと考えます。
金物を使っていない伝統構法で建てられた家も、現在の法律では限界耐力計算で耐震設計、補強計画ができます。
これにより、金物を使わない伝統構法の家でも、確認申請、完了検査が通ります。
現実問題として「使い勝手」や「さむい」が大きな悩みだと思います。
トイレの鍵がないとか、脱衣場がないとか、洗濯機を室内に置きたいなど、我慢できない所は新しく、いい所はそのままでという想いだとおもいます。
50年、100年先を見据えた家を造る。
古民家再生とよく聞きますが、よく合板のフローリングが使ってあるのを見ます。
多分20年持つか持たないか、悲しくなってしまいます。
こんな再生は将来、手を入れるとき苦労するでしょう。
どうしてここまで、この家が残れたのか。
そのことがわかる人でなければ、良い家を造る事は出来ないでしょう。
構造体をよく理解し、構造体により良い環境を与えてあげること。
仕上も今まで使ってきた様な、自然の物を利用すること。
そして、この次も再生が可能なこと。
木造が「丈夫で、長持ち」であることをこれからも証明し続けるために、
地元の木と伝統を使っていきましょう。